大阪万博 吉村知事「予算の増額なし」のはずが、万博協会は「必要な額の精査中」
で《万博の成功は僕の公約の柱の一つ》と反論するなど、万博を自分の責任で開催することに強いこだわりを持ってきたはずなのだが……。政治アナリストの伊藤惇夫さんもこう指摘する。
「今年7月に万博の華である海外パビリオンの『建設申請ゼロ』というニュースが流れました。万博が開催できるかどうか瀬戸際に追い詰められた吉村知事は急きょ、『万博は国家事業で国が主催すべき』と方針を変え、政府に泣きついたのです。
それまで“お手並み拝見”とばかりに静観していた岸田首相ですが、吉村知事が“国主導でお願いします”とヒザを屈した。政治は貸し借りの世界ですから、岸田首相は維新に恩を売るチャンスと考えるのが当然です。国会審議や選挙の協力などのなんらかの約束を取り交わしたはず。大阪府の選挙区では圧倒的に強い維新が、1?2議席を自民党に譲る“お礼”があってもおかしくありません」
万博の会場建設費は、国、大阪府と市、経済界が3分の1ずつ負担することになっている。
つまり3分の2は税金だ。しかし、資材価格の高騰や人手不足の影響で、2020年12月時点で、会場建設費は1250億円から1850億円に引き上げられている。
吉村知事は、昨年10月26日の囲み取材で、「(会場建設費を)