岸田首相は「経済、経済、経済」と連呼するも…ドイツに抜かれGDP4位に転落!「悲しい円安」で半世紀前の購買力に
そもそもコロナ以前に比べて、個人消費は2%ほど弱く、アメリカのように金利を上げるほど、経済が回復していないのです」
日本はこの10年、「デフレからの脱却」を旗印に、低金利を維持するアベノミクスを推進してきた。だが、デフレではない状況には到達したものの、賃金が上がらず、金利を上げるに上げられない状況になっている。その結果、金利の高い米ドルを購入して日本円を売る傾向が強まり、円安が進行しているのだ。
「さらに長期的には、日本の産業競争力が落ちてきていることも、円安の背景にあります。かつては日本の強みだったエレクトロニクス分野も、たとえば半導体では台湾や韓国などアジア圏にシェアを奪われるなど、海外勢に押されています。EV車では完全に出遅れたことなどもあり、日本の稼ぐ力が弱まったことを受けて円の価値が低下しているのです」
■来年の後半までは賃金は物価に追いつかず
“悲しい円安”は、私たちの家計も追い込んでいく。
「日本円の総合的な購買力を表す実質実効為替レートを見ると、2020年を100とした場合、足元は69。3割ほど落ちこんでいます。
これは1970年代前半の水準。つまり、国際的に見た日本の経済力は50年前にまで落ちてきているのです。