漫画界のレジェンド・東海林さだお 原稿初持ち込みは『女性自身』!? 意外過去を追跡した
4人で2ページの合作漫画(※4コマ漫画8本)を描き、出版社への持ち込みを計画し、ある女性週刊誌編集部に白羽の矢を立てたが、無残な結果に終わるというエピソードだが、編集者の塩対応ぶりも詳しく再現されている。
《だが、若い編集者は、かなりの時間かかって原稿を眺めたあと、不審気な顔を挙げてこういったのである。「これを一体、どうしろというんですか」
予期せぬ言葉に、赤面の集団は一層赤面し、うろたえ、浮足立ち、「つまり、……そういうものを……描いちゃったんです……すみません」と、罪の意識さえ感じて一斉にうつむく。》
このシーンを読みながら、私の背中にも冷や汗が流れていた。“まさか、この編集部、ウチではないよな……”。
東海林・福地・園山の奇跡の合作の価値に気づかずに追い払うなど編集者としての風上にも置けないが、実は自分の先輩だったかもしれないという可能性に気がついたのだ。出版社のヒントは、(1)Kという頭文字(2)女性週刊誌を出版している(3)早稲田大学から近い、の3点だが、文京区音羽にある光文社は、そのすべての条件を満たしている。
「いや講談社だって女性週刊誌を出版していたこともあるしな。