石井正則『古畑任三郎』の現場が一瞬で凍った、イチローに放った一言とは?
ゲストの福山雅治さんから『石井くん、この現場を体験したら、次、どの現場に行かれても大丈夫ですよ』と言われたくらいです」
だが、俳優初挑戦で、長ゼリフが多かった石井さんは苦労した。
「犯人役が緒形拳さんの回で、ハマってしまったんです。田村さんと緒形さんに挟まれるかたちで、3回連続で失敗して、監督が『お茶飲もうか』と休憩を入れてくれたのですが、それでも失敗。田村さんも緒形さんも何も言わない。それが逆に怖くて。5回目くらいになると、失敗する箇所に近づくだけで、ありえないほど足がガクガクと震えだして。セリフは言えましたが、震えでNGが出ると思ったくらいでした」
苦労しつつも現場になじんでいった石井さんだが、イチローが出演した回でも失敗した。
「田村さんや局の偉い方が同席した顔合わせの席で、俳優未経験のイチローさんを和ませるつもりで『ボクが先輩になるので、困ったことがあったらボクに言ってください』と軽く言ったら、めちゃくちゃスベって、現場が凍りつきました(笑)」
同ドラマで貴重な経験を積み、現在はお笑いコンビを解散し俳優業に専念。
「ボクにとってターニングポイントでもあり、新しいキャリアのスタートラインでもあったんです」