松田聖子 シティポップブームが追い風も…62歳での世界進出に「足りないもの」
(前出・音楽関係者)
現在のシティ・ポップブームを音楽評論家の富澤一誠氏はこう分析する。
「洋楽の影響を受けながらも、洋楽以上に都会的に洗練されたジャパニーズポップスがシティ・ポップです。松原みきの『真夜中のドア』や、竹内まりやの『SEPTEMBER』など、’79年ごろに流行した楽曲がシティ・ポップの源流となっています。サブスクで国境を超えて音楽が聴けるようになり、今になって世界的にヒットしました。シティ・ポップはサウンドよりも言葉に重きを置いています。その響きの美しさを若いインフルエンサーたちが新鮮だと感じ、次々と“いいね”を押すことで、どんどん拡散していったのです」
ブームの中心は’80年代の楽曲。聖子の往年の名曲も人気のようだ。
「当時、制作陣の間で『洋楽に負けないジャパニーズポップスを作ろう』という機運が高まっていました。
そのため、聖子さんに曲を提供していたのは大瀧詠一さん、松任谷由実さんなど、シティ・ポップの代表的なアーティストばかり。それらの楽曲をきっかけに、海外で聖子さんの名前も知られるようになっています」(前出・富澤氏)
しかし、いくら知名度が上がっても、海外で音楽的な成功を収めるのは容易ではないという。