新紙幣がキャッシュレス化後押し 肖像見納め?で「イチ万円札」は幻か
ほぼ20年おきに刷新される紙幣。次代の「顔」にふさわしいのは、だれか。
LINEリサーチが「1万円札になってほしいと思う有名人」を尋ねたオンライン調査(2021年)によると、坂本龍馬がトップ。存命の有名人として、トップ10にイチロー(6位)と明石家さんま(9位)がランクインした。年代別で長嶋茂雄、北野武、タモリも名を連ねる。イチローは、過去の民間調査でも人気だ。
「デジタル円」構想で最後の刷新?
ただ、紙幣の刷新は「これで最後になる」(エコノミスト)との指摘も。なぜなら、ほかでもない新紙幣が、キャッシュレス化を後押しているからだ。
レジ、ATM、自動販売機といった機器は改修・交換が不可欠で、コストは1兆円規模と見込まれている。1台あたり数百万円にもなり、対応を見送って電子マネーやコード決済に完全移行する事業者も目立つ。
財務省の調査によると、発行までに新紙幣対応の機器に更新される割合は、飲食店の券売機や駐車場の精算機が5割、飲料の自販機が2~3割にとどまる。流通量自体も縮小し、3年間で製造する紙幣の枚数は20年前と比べて3割近く減る見込みだ。
「デジタル円」も現実味を帯び始めている。