熊本地震から1年、夢追う農家姉妹「熊本野菜を世界に!」
「それを見て落ち込んだのは父でしたね。水路が壊れ、農業用水が来なくなり、『もう何もかもおしまいだ』とすっかりやる気を失っていました。父は農業のプロだから、被害の大きさから絶望したのかもしれません。でも、私たちは素人感覚で“なんとかなる!”と思ったんです」
震災後は、2人で軽トラに寝泊まりして農業を続けた。
「水路が壊れているから畑にまく水は、川からくんでこなければなりません。余計な作業は増えましたが、落ち込んでいる父や近所のおじさんを見ていると、“若い私たちが、なんとかしないと”と思うようになったんです」(未和さん)
そして、熊本地震は姉妹の意識も大きく変えた。
「野菜を食べた人の反応がわかったのは、ある意味、地震のおかげ。“復興マルシェ(仮設直売所)”のお客さんの『おいしい野菜で元気をもらった』と話す笑顔を見て、もっとおいしくしたい!と」(未和さん)
あの地震から1年。
姉妹はにんじん、キャベツ、大根を育てながら、花の栽培にまで手を広げている。