皇太子さま“新天皇の決意”強めた「天皇の直筆文書」
皇太子さまが宸翰をどうしてもご覧になりたかったのはなぜだろうか。
「後奈良天皇は戦国時代に在位し、飢饉や疫病に苦しむ人々を心配して、般若心経を写経しました。醍醐寺に所蔵されている写経には《私は民の父母として、徳を行き渡らせることができず、心を痛めている》という意味の言葉が記されています。まさに皇太子さまのお名前は“徳仁”です。きっと般若心経の言葉を自らの目で確かめることで、常に国民のために祈る“天皇のあるべき姿”をしっかりと確認されたかったのでしょう」
過去の天皇が、国民に寄り添う思いで写経した「般若心経」をご覧になったことで、皇太子さまの新天皇としての決意は、いっそう強くなったことだろう――。