ブラピのスタントダブルだった男が映画監督に上り詰めるまで。『フォールガイ』デヴィッド・リーチ監督の華麗なる転身
大学在学中にようやくブルース・リーからジークンドーを継承したダン・イノサントの主催するアカデミーを見つけ、マーシャルアーツを始める。大学で国際関係学と教育学の学位を取得したリーチは、大学を出てすぐに教職に就くとともに、自身でマーシャルアーツの学校を開いたという。そしてマーシャルアーツを続けていく中で、後に『ジョン・ウィック』を共同監督するチャド・スタエルスキと出会い、監督としてのキャリアをスタートさせていく。
そんなリーチ監督にとって転機になったのは『ファイト・クラブ』でブラッド・ピットのスタントダブルを務めた時だった。完璧主義者として知られるデヴィッド・フィンチャー監督の緻密な映画製作を間近で観察することができ、彼の仕事ぶりを見て、映画制作のプロセスに惹かれ、スタントマンとしてのキャリアと並行して映画製作にも挑戦し始めた。短編作品を撮影して編集していたが、やがてアクションの振り付けにフォーカスするようになり、スタントマンからアクションの振り付け担当へとキャリアをシフトするも、リーチの目標はそれだけにとどまらず、「監督になりたかった」という。そして、「大作映画のアクションシークエンスを担当するセカンドユニット監督の仕事は舞い込むようになったが、映画全体の監督という目標に向けて努力を続けた。