ロビン・ライトの長編監督デビュー作、サンダンスでデビュー
しかし、お金を集めてからいつまでに撮影に入らなければいけないかが決められており、その制限の中でこの役にふさわしい女優を見つけ、しかもその人のスケジュールが空いていないといけないという難題に直面した時、「だったらあなたがやれば」と言われ、主演も兼任することを決めた。相手役にビチルを選んだのは、彼の中にミゲルに必要な聖人の要素を見たから。ビチルを自分の家に招待し、1時間ほど話をすると、ビチルはこの役をやりたいと言ってくれたのだそうだ。
この映画を作りたかったのは、当時、アメリカで銃乱射事件が立て続けに起きており、人はどうあんな悲しみを乗り越えるのだろうかと思っていたからだと、ライトは語っている。だが、コロナで多くの人が愛する誰かを失った今は、この映画を見てもらうのにまさにふさわしい時だと、ライトはいう。「辛い時を乗り越えるには、誰かの思いやり、親切心が必要。今ほど、人と人のつながりが大切な時はないわ」。
『Land』は、アメリカでは今月12日にフォーカス・フィーチャーズが公開する。
今年はコロナでルールが変更されたことから、今作もオスカーの対象になる。
文=猿渡由紀
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