くらし情報『懐かしさと新しさが入り混じった待望の再々演 ミュージカル『キンキーブーツ』ゲネプロレポート』

2022年10月6日 17:00

懐かしさと新しさが入り混じった待望の再々演 ミュージカル『キンキーブーツ』ゲネプロレポート

逞しい体の上に彫刻のような顔が乗った異次元の美しさは、初めてローラに出会う人々をあんぐりとさせるのに、そして烈しさよりも滲み出る優しさが際立つ立ち居振る舞いは、そんな人々をそれでも魅了してしまうのに、それぞれ十分な説得力。作品のアイコンたるローラ役が替わったことで、当然のことながら小池チャーリーやソニンローレンとのやり取りもいちいち新鮮で面白い。

そして新鮮と言えば、台詞も。オフ・ブロードウェイで同じミッチェル演出によるリバイバル版が開幕したばかりとあって、いくつか変更された箇所があり、象徴的なのがローラが「Ladies&Gentlemen」の代わりに用いる決め台詞だ。昨今のアメリカでは、三人称も本人が決めるべきとの考えから、プロフィールやメールの署名欄に自分がheなのかsheなのか、あるいは性別を表さないtheyなのかを記す習慣があるよう。そんな世相を反映した新しい台詞に、ダイバーシティの時代を牽引する本作の力を改めて感じて胸が熱くなった。

懐かしさと新しさが入り混じった待望の再々演 ミュージカル『キンキーブーツ』ゲネプロレポート


最後に断っておきたいのだが、これはあくまで、“本物の観客”のいないゲネプロのレポートである。俳優と観客がエネルギーを交感することで生まれる熱と一体感、その末に劇場にあふれる無類の幸福感こそ、『キンキーブーツ』の最大の魅力。

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