深川麻衣と高良健吾が語る嘘と真実「正直であることと、嘘をつかないことは違う」
(高良)
老人たちは、それぞれの人生の思い出の場所で記念の1枚を撮る。けれど、“おもいで写眞”の評判が広まっていくうちに、思い出を偽る老人たちが現れる。真実を写す写真に込められた嘘。その嘘が、この映画により奥深い味わいを与えている。
「たとえ事実じゃなくても、そこに真実が写っているなら、その写真はいい写真なんだと思います。正直であることは大切だけど、正直であることと、嘘をつかないことは違う。嘘ってズルいものだと思われているけど、中にはズルくない嘘もあって。たとえ嘘であっても、そこには他の人にはわからない何かがある。
それがその人にとって大切で、その人にとって真実であるなら、誰にも批判なんてできない。人が信じているものを雑に扱っちゃいかんと、この映画を経て改めて思いました」(高良)
「私も、ついてもいい嘘はあるって考えているタイプです。映画の中で『目に見えないけど、そこにあったりいたりするものってあるんじゃないかな』という台詞が出てきますけど、世の中にはそんなふうに正しいとか間違っていると簡単に切り分けられないものがある。この映画は、そういう白と黒の間にあるものに目を向けるきっかけになりました」