人気浪曲師が聞かせる「魂」のうなり! 玉川奈々福、初の著書『浪花節(なにわぶし)で生きてみる!』
戦争が終わってまだ傷が癒えない昭和三十年代前半までは、傷ついた心をもっとも慰めてくれるのが浪曲だった。社会が豊かになるに従って、悲しい、痛い、切ない、寒いことがなくてすむ人生もあるんだと日本人が思い始め、つらい記憶を積極的に忘れたくなった。だから高度成長期に浪曲はすごい勢いで衰退した。でも、いま、悲痛なうなりの必要が、また生じつつあるのかもしれない。本来、人は苦しみや悲しみを抱えて生きていくもので、危機的状況がいつでも起こり得るこの世の中において、悲しみを慰めてくれる物語が、人が生きる上で必要とされる時もあるのかもしれない、と思います。
『浪花節(なにわぶし)で生きてみる!』 (玉川奈々福・著)
さくら舎/1600円+税
【ココロ酔いしれる奈々福節の内容】
第一章〽旅行けば~ーー浪花節のココロ
第二章〽ああなりまして、こうなってーー玉川奈々福ができるまで
第三章〽青葉若葉に風薫るーー師匠が空に消えた日のこと
第四章〽利根の川風たもとに入れて00特別の人たち
第五章〽遠くちらちら灯りが揺れるーー灯りは見えるか、面白くなれるか
付録〽バカは死ななきゃなおらないーー野露に濡れながら育ってきた浪曲の歴史
玉川奈々福
奈々福公式サイト「ほとばしる浪花節!」