『うるしとともに』1月20日より開催 各地域の事情や美意識に応えた様々な漆芸技法を紹介
傷ついたウルシの木が傷を塞ぐために分泌する樹液は、接着剤や防腐剤として機能すると同時に、つややかで美しい塗り肌を生み出すが、その特質がまた様々な技法を生み出すことになったのだ。例えば、一度固まった漆は頑丈な塗膜をつくるため、刀による彫刻が可能となって生まれた「彫漆」の技や、塗ってから固まるまでに時間を要することから、漆が硬化するまでの時間に貝殻をつける「螺鈿」や、金銀粉を蒔く「蒔絵」の技法など。こうした技法を知ることも、漆芸品を見る楽しみのひとつとなるだろう。
今回はまた、漆器同様に暮らしを彩る陶磁器のなかから、近年同館に寄贈された瀬川コクレションの染付大皿が受贈後に初めて公開される。斬新で大胆な意匠が魅力の大皿のなかには、2024年の干支の「龍」の姿も。辰年の最初の展覧会となる同展では、龍をモチーフとした漆芸品も多く出品されており、漆芸に親しむと同時に、モチーフ探しも楽しめる展覧会となっている。
<開催概要>
企画展『うるしとともに― くらしのなかの漆芸美』
会期:2024年1月20日(土)〜2月25日(日)
会場:泉屋博古館東京
時間:11:00~18:00、金曜は19:00まで(入館は閉館の30分前まで)