GENERATIONSが全員で挑戦したホラー映画『ミンナのウタ』。こだわりとユーモアにあふれた撮影現場を独占レポート!
がかかる。「それだと、泡のついた手が上がってくるようにしか見えない!もっと泡そのものが“さな”の手になる感じで!」。清水監督の演出意図を知って、あ~、なるほど、と、そこにいたスタッフ全員が思ったに違いない。そんなちょっとしたギミックを、文化祭の学生たちのように、ワイワイ楽しそうに成立させるのが清水組のいつもと変わらない風景なのだ。そのことは、シャワールームから出てきた片寄や穂紫の満足そうな顔を見ても明らかだった。
この日の午後には、同じ部屋で白濱亜嵐と権田、凛の3人が、テーブルに置かれた問題のカセットテープを見ながら、次々に起こる怪奇現象について思案する深夜のシーンの撮影も行われた。
「あの、“さな”という子は……自分の歌を聴いてもらいたいだけだったんじゃ……」(凛)
「何で俺たちまで……」(白濱)
「誰でもいい。
他人を……自分の世界に惹き込みたいんだ」(権田)
「彼女の想いに寄り添ってあげることってできないのかな?」(凛)
リハの段階から神妙なセリフのやりとりが行われたが、そこで凛役の早見から清水監督に「おかしなことが次々に起こっているから、気持ちが悪いと思うのが普通で、寄り添おうなんて感情にはならないような気がするんですけど……」