くらし情報『二世中村吉右衛門三回忌追善「秀山祭九月大歌舞伎」上演中』

2023年9月6日 12:00

二世中村吉右衛門三回忌追善「秀山祭九月大歌舞伎」上演中

歌舞伎の「三姫」と呼ばれる代表的なお姫様でもある雪姫を、中村米吉(2~6日、13~18日出演)と中村児太郎(7~12日、20~25日出演)がダブルキャストで勤める。2日の初日は初役となる米吉が可憐な中にも強い信念を感じる雪姫で観客を魅了し、慶寿院尼を勤める福助も元気な姿を見せた。歌舞伎の様々な役柄が登場し、煌びやかな金閣寺や美しい桜の花、セリを使った演出も楽しい豪華絢爛なひと時となった。

続いては、新古演劇十種の内『土蜘(つちぐも)』。能舞台を模した松羽目の舞台で演じられる“松羽目物”の大曲のひとつ。二世中村吉右衛門も得意とした叡山の僧智籌実は土蜘の精を、二世吉右衛門の甥である松本幸四郎が初役で勤める。幕が開くとそこは源頼光(中村又五郎)の館。病に伏せる頼光の見舞いの者たちに続き、忽然と現れたのは智籌と名乗る叡山の僧。
音もなく登場するその様子は、実は土蜘の精という不気味さや異様さを際立たせる。さらに数珠を用いた“畜生口の見得”に土蜘の精の本性が垣間見えゾクッとする瞬間も。番卒と巫女との滑稽み溢れる間狂言を挟み、土蜘の本性を現してからの後半の立廻りも圧巻で、勢いよく解き放たれる千筋の蜘蛛の糸はまるで糸一本一本までを操っているかのよう。

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