その華やかな美貌に目を奪われ、つい見落としそうになるが、山田涼介という役者の本質は極めて職人的なんだろう。己の自我や自意識に執着することなく、役に徹し、作品の良きパーツであるためにすべてを捧げる。それでいて、その努力や苦労を大仰に語ろうとしない。だから、映画を届ける段においても、主観はあえて切り離す。
「静かな映画である分、きっと観た人がそれぞれの感情を乗せやすい作品になっていると思います。僕は、映画というのは観た人が好きなふうに受け取ってくれればいいと考えていて。蒼と美夏の愛についても、みなさんが自由に感じてもらえたら」
泥を啜るように生きた蒼。その姿は、温室育ちの花のような華やかさはない。
けれど、どんなに濁ったぬかるみでも気高く咲き誇る蓮のような清廉さをたたえていた。それは、山田涼介の持つ心根にもよく似ているのかもしれない。
どんな苦難にも屈することなく、蓮のように凛然と、役者・山田涼介は作品の中で生き続ける。
取材・文:横川良明撮影(メインカットのみ):友野雄
<作品情報>
『サイレントラブ』
2024年1月26日(金) より全国ロードショー
配給:ギャガ
公式サイト:
https://gaga.ne.jp/silentlove/
(C)2024「サイレントラブ」製作委員会
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