2023年7月4日 12:00
「これまでの人生で感じたことのない喜び」尾上松也演出の新作歌舞伎『刀剣乱舞 月刀剣縁桐』上演中
髭切(中村莟玉)、膝丸(上村吉太朗)
小烏丸(河合雪之丞)
そんな舞台の初日前会見で初演出も務めた三日月宗近役の松也は「1ヶ月間お稽古をしてきて、みなさんに僕の考えていることを稽古場で具現化していただきながら、徐々に立体的なシーンになっていく喜びは、これまでの俳優人生で感じたことがありませんでした。俳優として板の上に立った時には気づかなかったことが学びとなって、得るものがたくさんありましたね。出演者とスタッフのみなさんに感謝したいです」と感想を述べた。その言葉を受けて足利義輝/小狐丸役の右近は「ご自身が俳優でもあるので、僕ら俳優を信じてしっかりした関係を築いた上で演出して下さる素敵な演出家だと思いました」と松也への信頼を寄せ、小烏丸役の雪之丞は「松也さんは歌舞伎以外にストレートプレイやミュージカルにも出演されて、そういった経験を活かした演出をされたと思います」と語った。歌舞伎の「時代物」といった古典の要素を感じさせながら、三味線を使った義太夫や「ツケ」を入れた立廻りなど歌舞伎の手法と「刀ミュ」や「刀ステ」の世界観のエッセンスを上手にミックスして、古典と現代という時代を行き来しながら、テンポよく丁寧にシーンを見せていく演出は見応え十分で、松也の演出家としての才能の片鱗が伺える。