いよいよ世界初演目前。藤倉大の新作『アルマゲドンの夢』を見逃すな!
『紫苑物語』に続く日本人作曲家への創作委嘱シリーズの第2弾、藤倉大のオペラ『アルマゲドンの夢』世界初演が目前だ(11月15,17,21,23日/新国立劇場オペラパレス)。
ロンドンを拠点に世界中のオーケストラや歌劇場から委嘱を受けて旺盛な作曲活動を展開し、音楽の新時代を切り拓いている作曲家・藤倉大の新作オペラとなれば、これは楽しみだ。藤倉がオペラを手がけるのは本作で3作目ながら、日本では『ソラリス』が演奏会形式で上演されたのみ。今回は、内外から注目を集めること必至のステージとなるだろう。
藤倉が選んだ題材は、20世紀初頭に書かれたH.G.ウェルズのSF短編『アルマゲドンの夢』。藤倉と長年共同作業をしているハリー・ロスが台本(英語)を手がけ、藤倉らしい大胆な発想でオペラ化し、時空を自在に行き来しながら、忍び寄る全体主義、そして科学技術の発展がもたらす大量殺戮への不安を鋭く描いた原作を脚色したもの。まさに現代に生きる我々のそばにある脅威がスリリングに描き出される。
演出は、2018年ザルツブルク音楽祭『魔笛』で世界の話題をさらったアメリカの女性演出家リディア・シュタイアー。
指揮は新国立劇場芸術監督大野和士。