鉄とガラスを用いた新作彫刻も 青木野枝の個展が府中市美術館にて開催
鉄や石膏など重い素材を用いて軽やかな作品を制作する彫刻家、青木野枝の個展『青木野枝霧と鉄と山と』が、府中市美術館にて12月14日(土)に開幕。2020年3月1日(日)まで開催されている。
青木野枝は、1958年東京都生まれの彫刻家。鉄や石膏という固く重い素材を用いながら、大気や水蒸気をモティーフに、万物がうつろいゆくなかの生命の尊さを軽やかに表現するアーティストだ。
近年はガラスや石膏など新たな素材にも挑戦。越後妻有アートトリエンナーレや瀬戸内国際芸術祭などに参加するほか、長崎県美術館や鹿児島県霧島アートの森などで個展を多数開催してきた。
作品のほとんどが展示場所に合わせて作られるため、展示が終わると解体される。青木は「つくって、置き、崩す」を繰り返し、その営みの中に自らの彫刻があると考え、実践しきた。
同展では、府中市美術館の空間に合わせて構想された、鉄とガラスの新作を発表。加えて、石膏を用いた「原型質」シリーズや、最初期の丸鋼で造形した彫刻なども展示される。会期中はアーティスト・トークや、同世代アーティストたちとの鼎談・座談会など関連イベントも開催。東京では約20年ぶりとなる大規模個展で、動き続ける青木野枝の彫刻の今を体感したい。