小池修一郎マジックが炸裂! 明日海りお・千葉雄大が中性的魅力を発揮 『ポーの一族』東京公演ゲネプロレポート
いつしかバンパネラたちの苦悩と生き様に心を寄せられるようになっていたのは、時空を越えたいくつもの場面を次々と目の前に立ち上がらせる、回転舞台の力によるところが大きい。舞台がクルっと廻るたびにロマンあふれる物語世界に引き込まれ、登場人物が一堂に会する第一幕のラストでは、彼らの行く末がすっかり心配になっていた。最初は多すぎるようにも感じられた登場人物が、このころには相関図とともに頭に入っていたことも含め、これぞ“小池修一郎マジック”といったところ。そして第二幕が終わった時に願っていたのは、少女時代に原作漫画を読み終えた時と同じこと――ポーの一族には嗚呼、やはり今も世界のどこかに存在していてほしい。
チケットは既に完売状態だが、東京公演のいくつかがライブ配信されるほか、名古屋での大千秋楽公演については配信に加えて映画館でのライブ・ビューイングも予定されている。ライブ配信には、明日海と千葉の表情や仕草に迫る「エドガーアングル」「アランアングル」バージョンもあるそうで、さまざまな楽しみ方ができそうだ。
取材・文:町田麻子
ミュージカル・ゴシック『ポーの一族』
原案・原作:萩尾望都(「ポーの一族」