2022年4月20日 17:00
注目の同世代タッグで立ち上げる新たな『エダニク』 横山拓也×内藤裕子ロングインタビュー
そういう説得力が必要な役だから、これもぴったりだなと思いました。
横山本当に。このお三方のお名前を聞いて、上手いこと当ててくださったなと僕も思いました。
――内藤さんの指揮でどんな新しい『エダニク』が立ち上がるのか、とても楽しみです。
内藤横山さんはこんなに穏やかないい方なのに、意地悪なくらいに(笑)、“人間の隠したい部分を出さざるを得ない状況”を描いていらっしゃるんですよね。それをちゃんと魅力的に、共感性を持って見せられたらいいなと。隠したいけれど、「そうそう、こんなふうにひよっちゃうんだよな」とか、そういった手触りのある人間たちの物語なので。私たちの日々の暮らしの裏側で、こうした屠畜する人たちや畜産農家の人たちの葛藤があることを感じ、劇場を出る時には価値観が変わるような力を持った作品です。
その戯曲の持つエネルギーを伝えられるようにしたいですね。登場人物たちが抱えた恨み辛みを、役者さんたちにも“自分たちの物語”として表現してもらいたい。その悔しい思いを舞台にしっかり乗せたいな、と思っています。
横山そうですね、役にどのくらい実感を、温度感を持てるかは、役者さんにとって大変な作業になるでしょうね。