片岡愛之助×戸部和久「ルパン三世」を歌舞伎にした新作歌舞伎『流白浪燦星』。これぞ歌舞伎!の面白さを見せつける
そういった部分を大切にしながらも、歌舞伎の中のルパンとして、今回の脚本を体現できればと思っています。戸部先生とお決まりのセリフは言いたいよねという話をして、「ふ〜じこちゃ〜ん」といったセリフは入れさせていただいています(笑)。
──その歌舞伎のルパンたちが活躍する舞台として用意されたのが、天下の大盗賊・石川五右衛門が実在した安土桃山時代の物語。「卑弥呼の金印」という国宝級の秘宝を巡って、ルパン三世と石川五右衛門が激しい戦いを繰り広げることになります。
戸部歌舞伎の世界で泥棒と言えば石川五右衛門ですから。この初代五右衛門がいる世界にルパンたちがいたらどうなるのか、ルパンとの顔合わせを見てみたい、そんな思いからこの物語を書き始めました。
愛之助夢の顔合わせです(笑)。
戸部歌舞伎らしく華やかに描きたかったので、『楼門五三桐』で五右衛門が、南禅寺の山門の上で語る「絶景かな、絶景かな」という有名なセリフがありますが、そこにルパンがいたら…というのも浮かんできました。
愛之助普段歌舞伎をご覧になっている方からすると、「待ってました!」と思っていただけるでしょうし、初めて歌舞伎をご覧になられる方には、「すごいな」