2022年10月29日 20:45
「圧倒的にすごい」舞台を 中村倫也主演ミュージカル『ルードヴィヒ~Beethoven The Piano』開幕
僕がふだん道を歩いている状態ではとても表現できないエネルギー」「いい意味でも悪い意味でもちょっと異常な人しか出てこない(笑)」(中村)、「こんなにエネルギーを放出する感覚を覚えているのは初めて」(木下)と、実感のこもったコメントが続く。
そんな作品であるがゆえに、受け取る側にもある程度のエネルギーが必要なようで、「多少の覚悟をもって観に来てくださるといいかな」と福士。「たまに『何も考えずに来てください』と言うこともあるが、今回は『観るぞ!』という気合で来てくださったら嬉しい」と語ると、中村も「『観るぞ!』と思わないと開幕でアワアワしちゃうかも(笑)」と同意する。「あっという間に終わって、ちょっとぼーっとしながら帰る舞台になるんじゃないか」としつつ、「少しでも何か浴びていただければ」と、観劇を心待ちにするファンにメッセージを送った。
取材会のあとに公開されたのは、約120分の舞台のうち100分ほどだったが、それでも本作が観る側にもエネルギーを求める刺激的なミュージカルであること、そして中村倫也が稀有な舞台俳優であることを実感させるには十分。どんなに100パーセントの情熱で演じても押しつけがましさや暑苦しさがなく、また苦悩や激情を吐露するような歌も芝居の延長線上で、かといって芝居を理由に歌声を制御することから逃げることもなく歌ってみせる。