葵わかな×三吉彩花らが切り拓く、自分らしく生きる道『The PROM』ゲネプロレポート
エマと惹かれ合う一方で、PTA会長を務める母の期待にも応えたい優等生のアリッサ。初舞台となる三吉彩花はこの葛藤を、役名が冠されたソロナンバー「アリッサ・グリーン」で表現。エマとの切ない恋路を表情豊かに立ち上げる演技力で作品に貢献しており、今後もミュージカルでの活躍が期待される。
映画版でメリル・ストリープが演じた傍若無人なD.D.アレン役は、大黒摩季・草刈民代・保坂知寿のトリプルキャスト。ゲネプロに登板した大黒は、貫禄の歌声で誇り高き“トニー賞女優”を体現。『シカゴ』の万年アンサンブルことアンジー役の霧矢大夢は、艶っぽいロキシーダンスで抜群の柔軟性を発揮した。佐賀龍彦(LE VELVETS)とWキャストでホーキンス校長に扮するTAKE(Skoop On Somebody)は、俳優や劇場空間に対する演劇ファンの気持ちを代弁する「あなたを見ていたい」で甘い歌声を響かせる。
地球ゴージャスらしいエンタテインメント要素あふれる群舞やアクションも健在だ。エマに共鳴するバリー・グリックマン役の岸谷はタップダンスやアクロバティックな動きで作品世界を支える。名門ジュリアード音楽院出身を誇るトレント・オリバー役の寺脇康文はタンバリンを携え、アンサンブルキャストと一糸乱れぬダンスを繰り広げた。