中村時蔵・梅枝親子が『鎌倉三代記』で初役共演 “三姫”演じる梅枝「命の限り燃え尽きたい」
命の限り燃え尽きたい」と緊張した面持ち。「若造だからこそできる時姫を追い求めていきたい。父や芝翫のお兄さんの胸を借りてお客様の心に残るものにしていきたい」と背筋を伸ばした。
取材会では「最近、父も年のせいか、足腰が弱ってまいりまして、非常に心配」(梅枝)、「憎らしいでしょ?」(時蔵)と微笑ましいやりとりも。その様子に、芝翫は「以前のうちの親子を見ているよう。私も父のことを思い出しながら、舞台に立つことが多いので、懐かしくいつも見ています」と目を細めた。

その芝翫にとって、佐々木高綱を演じるのは3度目となり、「初演は、阪神大震災があったこともあり、思い出深い作品。ドラマの深さを重視して、観ていただければ」とアピール。梅枝に対し、「昨今は本当に女形さんが少ない。お父さんのように大立者の女形になってほしい」と期待を寄せた。
【『鎌倉三代記』あらすじ】
北條時政と源頼家との戦の最中。劣勢を余儀なくされた源頼家に仕える三浦之助は、病床の母長門のもとへ、別れを告げに現れる。出迎えたのは、敵方時政の娘ながら三浦之助の許嫁・時姫。長門は気丈に息子との対面を拒み、時姫は三浦之助を恋い慕う心を打ち明けるが、三浦之助は、時姫に心を許さない。