くらし情報『【コラム】コンセプトは「世界の複数化」「孵化主義の実践」。ドイツ2都市で開催された世界演劇祭』

2023年7月26日 11:00

【コラム】コンセプトは「世界の複数化」「孵化主義の実践」。ドイツ2都市で開催された世界演劇祭

を肯定的に受け入れ、新たな創造につなげ得る有益な時間と考える態度を「孵化主義」と名付けている(と当方は理解した)。

※シアターコモンズ:2017年設立。演劇の「共有知」を活用しながら社会の「共有地」を生み出すプロジェクト

【コラム】コンセプトは「世界の複数化」「孵化主義の実践」。ドイツ2都市で開催された世界演劇祭

「孵化のさや」となったフランクフルト応用美術館は深夜まで開館撮影:伊達なつめ
ウズベキスタンのサオダット・イズマイロボ『Zukhra』は、ベッドに横たわる女性が背負う歴史や宿命が夢の断片のように浮かび上がるのを、同じように床に横になり、夢うつつに見つめることで、彼女の感覚に寄り添えそうに思える映像作品。小泉明郎『解放されたプロメテウス』は、不安に苛まれながら浮遊するいくつもの身体が、その母語ではない日本語の声とともに「われわれを知覚せよ」と迫ってくるようなVR作品。以前東京で体験した際と、入管法の改悪を経た今とでは、解像度がまるで異なって見えることに戦慄した。(※後日、今回のために新たに加えた表現があることを知った)

そんな鑑賞者の速まる脈拍を鎮めるかのように、「チル・アウト」という休憩室が隣接していた。クッションやソファー、耳栓、遮音のためのヘッドフォンなどが置かれ、完全な仮眠や瞑想も可能なスペースだ。

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