【幻冬舎/著者インタビュー】『知っておきたい「うつ」の真実』しのだの森ホスピタル 院長 信田 広晶氏のインタビュー公開!
気分が落ち込むことは誰にでもありますが、それとうつ病は違うのでしょうか?
気分が落ち込むのは、かぜの初期に体がだるくなるのと同じで、うつ病になる兆候です。しかし、明確にうつ病にかかっている人は、通常とは明らかに違う状態になります。
ものの見え方や感じ方がマヒしたようになって、自分と世界との間に膜があるように感じます。外の世界で何かが起きても心も体も反応しなくなり、世の中から取り残されているような感覚になります。
――患者さんの感じていることを医師が外から診察してわかるものなのでしょうか?
心の病は、かぜや炎症のように、体温を測ったり血液検査をしたりすることでわかるものではありません。
経験を積んだ医師であれば、患者さんの生気感情を見ることでだいたいわかりますが、人によって診断が異なることもよくあるので、うつ病が疑われるときには、複数の医師に診てもらうことをすすめています。――診断が難しいと言われると、どの医師を信じていいのかわからなくなります。適切な病院の選び方などはあるのでしょうか?
そもそも心というものは、100人いれば100人それぞれで違うものです。
ですから、どのような状態がうつ病であるかも人それぞれで違っていて、治療にあたっても相性の良い医師と悪い医師がいます。