平家物語を伝承する人気シリーズ・第6回の開催が決定 平家物語の世界その6『壇浦の悲劇ー見るべきほどのことは見つー』上演決定 カンフェティにてチケット発売
この音楽のことを「平家」という。上は天皇から文字を持たない人々まで、日本のあらゆる階層の文化に影響を与えてきた。十五世紀の京都には琵琶法師が五、六百人もいたという。平家の流行につれて、琵琶法師の社会的な地位も上昇する。古典音楽化した平家は、連歌や茶の湯の席で、あるいは、儀式音楽としても語られるようになる。江戸時代には、こうした演奏の場が引き継がれ、武士の昇進の祝いや、大店の開店祝いといった祝儀の席で、あるいは、歴代将軍の葬儀や大名家の仏事といった不祝儀の席で語られている。また、茶人、俳人、武士などが、知的で優雅な趣味として、みずから平家を語って楽しんだ。琵琶法師たちは、江戸時代には、平家だけでなく、新しく伝来した三味線や、それまではおもに宮中や寺院で用いられていた箏といった楽器を手にして活躍し、多くの名曲を残した。
箏や三味線の音楽家が平家も演奏するという伝統は、明治維新で多くの地で失われてしまったが、現在、名古屋の盲人音楽家がひとり、『平家物語』の内の八章段を語り伝える。現在は、この平家を次世代に伝えようと平家語り研究会が伝承に取り組んでいる。
出演者プロフィール
菊央雄司(きくおう ゆうじ)