東京演劇アンサンブル創立70年記念公演Ⅱ『ヤマモトさんはまだいる』 ドイツを代表する劇作家デーアーローアーの新作をスイスと2カ国同時に上演
スイス・チューリッヒ劇場と世界ダブル初演を迎える。
あらすじ
――わたしたちはきみがいないと寂しくなる――
西欧の大都市。ミセス・ヤマモトは年配の女性。彼女は一人、小さなアパートに暮らしている。同じアパートにニノとエリックのカップルも住んでおり、彼らのあいだに友情のようなものが芽生えていく。ところがその後、ミセス・ヤマモトは階段で転んで病院に運ばれ、そのまましばらくして亡くなってしまう。
この物語を中心にさまざまな人物が描かれる。それらのシーンは、相互の繋がりを連想させながらも直線的な時間軸の構造をなしていない。
ここに扱われるのは、大都市の孤独、社会の変化。そしてなにより、私たちはこれからどうやって共に生きていくのか……
――君たちはバーチャルな世界を作ってる。最後にはそこに住み着いて、バーチャルなお金と家とアバターといくつもの人生を手に入れたら、ようやく現実世界を安心して焼却できる、そういう計画?――
東京演劇アンサンブルとは
戦後日本の新劇活動の一翼を担った演出家・広渡常敏を中心に1954年に創設し、「演劇行為の中に人間の変化の契機をつくる」ことを根底においた創造の集団をめざしてきた。