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https://www.twellv.co.jp/program/drama/doyou-youga/archive-doyou-youga/doyou-youga-170/
2.みどころ(映画評論家・立花 珠樹 氏)
異様な高揚感が全編を貫く
アカデミー賞で女性初の監督賞を受賞
『ハート・ロッカー』は、イラク戦争の最前線で爆発物の処理に当たる米軍兵士たちの姿を、リアルに描いた映画だ。
爆弾を解体したり、爆破したりして、無害化する彼らの任務は危険で、常に死が付きまとっている。だが、沈鬱(ちんうつ)で重苦しいトーンの映画ではない。「戦闘での高揚感はときに激しい中毒になる」という冒頭に表示される文章が示す通り、異様な高揚感が全編を貫き、観客を巻き込んでいく。
2004年、バクダッド郊外。ブラボー中隊に所属する爆発物処理班が、路上に仕掛けられた爆弾の処理に当たっている。これはわなだった。爆弾が爆発し班長が死亡。代わりにジェームズ軍曹(ジェレミー・レナー)が着任する。彼は隊のルールを無視し、単独で爆弾処理を行う。命が惜しくないかのようなジェームズの態度は、隊員たちに波紋を広げていく。
兵士たちのそばで現場を見ているかのような、臨場感にあふれた映像。
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