2024年4月25日 07:00
BE:FIRSTは「筋書き通りの成功」新音楽ビジネスへの挑戦を解説【坂口孝則連載】『オリコンエンタメビズ』
そして「I know, it is our fate」。この単語使いに注目せざるを得ません。destinyではなくfate。どちらかといえば、ネガティブな、ある意味で哀しみも内包するこの単語。前述の文脈でいえば、旧来の音楽業界の常識と闘い続けねばならない覚悟すらも感じるのです。
そして、曲「Masterplan」を音楽から先に聴いた人は必ずそう思うでしょうが、総合芸術として創られています。音楽だけではなく、MVと、そしてライブとセットで楽しむ仕掛けになっています。また応援している自分自身を想像しながら聴くわけです。
曲「Masterplan」のMVには印象的なシーンが二つあります。一つ目はスーツを着た人々の前でメンバーが踊るシーンです。これまた説明するのは野暮ですが、スーツは既得権益者を隠喩し、さらに既存の業界関係者を意味しています。スーツの連中が静的なのにメンバーが動的なのは印象的です。変わらない業界と、変化を求めるグループを示しています。
また、効果的にサングラスが使われているのも象徴的です。映画『マトリックス』の例を引くまでもありませんが、「いま表面的に見えていることは真実ではないかもしれない」