霜降り明星せいや、高校生活を心配され“オカン”が涙…それでも「学校は絶対に行く」誓った理由
と笑いながら家族にも気丈に振る舞っていた。
しかしある晩、オカンに風呂場で薬を塗ってもらっているときに、ぽたぽたと涙が頭に落ちてきた。オカンが泣いていた。生まれて初めて見るオカンの涙だった。いつも明るく強気でツッコんでくるオカンが「なんであなたがこんな目にあわなきゃいけないの!?」と叫んだ。オカンの泣き顔を初めて目にし、頭皮で涙を直に感じたイシカワは動揺した。そして気づいたらイシカワの目からも涙が溢れ出ていた。
悔しくて、悔しくて涙が止まらなかった。
今まで見て見ぬふりをしていたつらい感情がすべて溢れ返ってきた。いつもは底抜ぬけに明るいオカンの涙で、今まで頑丈に閉めていた心のフタみたいなものが外れた。妹たちもオトンも心配していた。素直な気持ちも溢れ返ってきた。そこで初めて、自分の気持ちに素直になれた。
当たり前のように殴られて、脱毛症になって、でも持ち前の明るさで笑っていた。笑って笑って……笑えなくなっていた。オカンが泣いている。
これは笑えない。家族の前で初めて大声で泣いた。初めて泣きながらオカンに言った。
「なんでこんな目にあわなアカンねん。髪の毛が抜けて、友達もできへん。そんな悪人みたいな人間じゃないのに、俺が何をしたんや。