くらし情報『モフセン・マフマルバフ監督が新作を語る』

2015年12月7日 10:51

モフセン・マフマルバフ監督が新作を語る

独裁者がいる国で革命が起きても、また独裁者が生まれてしまうのはなぜなのか? が問題でした」

映画では、冷酷な独裁者の逃亡劇が描かれるが、暴徒と化した民衆も重要な役割を果たす。「独裁者と国民と反政府の三角を思い描いてみてください。日ごろ、独裁者に喝采をおくり、もちあげているのは国民です。でもある時に反政府が動いて独裁者を倒すと、国民は即座に反政府と同じように暴力をふるいます。反政府の人々は必ず『独裁者を捕まえて拷問しよう。なぜなら、自分たちが独裁者から拷問されたから』と言います。私たちの国の詩にこういうものがあります。“権力者の顔を見ると、その国の国民の顔が見える”」。
映画は逃亡する独裁者の姿を中心に追い、やがて“憎き独裁者を殺せば、すべてが解決するのか?”という問いを観客に提示する。「リビアではカダフィが倒されましたが、あの国ではまだ平和が訪れていません。カダフィを殺した後に、次は民衆たちで殺しあったからです」

マフマルバフ監督は本作に込めたメッセージを可能な限り多くの国々の観客に届けるため「セリフの意味がわからなくても、映画のメッセージが伝わるようなイメージを積み重ねていった」という。

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