霧矢大夢が野望を秘めた男を熱演! 宝塚歌劇月組公演が開幕
野望を果たすため、自分に近づく女性をも利用しその階段を上がっていくジュリアン。しかし過去にとらわれて思うようには進まない彼のもどかしさや熱いエネルギーを霧矢は緩急つけて表現。悪党から青年紳士への変化も柔軟に表している。また、ジュリアンと離れることになっても彼を見守るサビーヌを演じる蒼乃は、その強さと寂しさを繊細に見せ、ジャック演じる龍は、常にジュリアンの邪魔をする悪党ぶりが板についている。さらに明日海りおは、ジュリアンに恋する少女アナ・ベルを静かに見守る誠実な男としてアンリを演じているが、ジュリアンの運命を左右するラストシーンでの強い意志を潜ませた目にも注目してほしい。
第2幕は、夏にふさわしいパワフルでエネルギッシュなショーが繰り広げられている。プロローグからソロ、デュエット、群舞、総踊りと、さまざまにフォーメーションを変化させ、息つく暇もない演出が楽しめる。物語性のある演出も取り入れ、霧矢と蒼乃のしっとりとした息ぴったりのデュエットや、男役のスタイリッシュな群舞のほか、霧矢、蒼乃はもちろんのこと、龍、明日海、青樹泉らそれぞれに見せ場を用意。
彩り豊かなショーに仕上がっている。めくるめくシーン展開で観客を飽きさせることがなく、フィナーレまで盛りだくさん。