デビュー40周年、鹿賀丈史が当たり役『シラノ』に再び挑む
ちゃんと芝居が観たいから、そこで歌はいらないと。だから今回は“なぜここで歌うの?”というミュージカルの根本に向き合い、セリフ以上の歌の効果を見つけながら作り直していきたいなと思ってやっています」。
そもそもこの『シラノ』は、作曲のワイルドホーンが『ジキル&ハイド』での鹿賀の姿にインスピレーションを受けて、誕生した。「これだけいろんな面を持っている人間を演じると面白いですね。優れた剣士であり詩人であり、非常に洒落たこともしゃべるのに、愛するロクサーヌの前では口も利けなくなっちゃう。そこをふっと乗り越えれば非常に幸せな人生が送れるのに、ひとつコンプレックスを置くことで、人間のおかしさや悲しさが見えてくるんです。ひとりで生きていく孤独を恐れずに自分の意思を曲げないで、心意気で生きた彼のような人はもうめったにいないでしょうね」。
シラノと違って「全く筆マメじゃない。
メールも用件だけ」と笑う。ダンディズムの中に愛おしさと弱さをにじませた、あの圧倒的魅力にあふれるシラノはこの人しかできない。公演は来年1月6日(日)から29日(火)まで東京・日生劇場にて。チケットぴあでは、お弁当付きチケットも発売中。大阪公演あり。
取材・文:武田吏都
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