と金森。音楽については「今までみなさんがご覧になってきたビゼーの音楽を用いた『カルメン』を刷新したい。新たな『カルメン』をあえてビゼーの曲だけで提示するというのが私の野心」と構想を明かす。
振付については「10年間やってきた手法を全て作品に用いたい。いろいろなアプローチを試みてきたが、この実験に全てつきあっているのがこの人(井関)なんです。佐和子は内側と外側のバランスがとれていて、今が一番いい時期。だから、こちらもチャレンジです。この動きだと簡単でつまらないと言われそうだなと思うとクソっとなる。
もっとギャフンと言わせたいというか、驚いてほしいし、驚きたい」と金森。振付に注文をつけるのかと聞かれた井関は「若い頃は自分がやりたいことを言葉にしてました。さすがに、いろいろ学んだので今は顔に少しでるぐらいです」と笑う。対する金森は「佐和子だけじゃない。舞踊家って厳しいんですよ。みんな『ハイッ』と言ってやってくれますが、この振付なんだよってと思っていると動きに出ることがあるんです。心の中では思ってなくても動きが生きてなかったり。偉そうに振付しているみたいに思われるかもしれませんが、内心グサグサ刺されながらやってるんですよ」