夕陽のような照明の中、トランペットの音が鳴り響いた『ブレーメン』以降は、『ハヴェルカ』『かごの中のジョニー』と、徐々に過去にさかのぼりながら今のくるりサウンドで会場を包む。「僕、バインの好きな曲があって。ずっと「白目」やと思ってたけど『白日』でした(笑)。その頃に書いた曲をやって選手交代したいと思います」という岸田のMCの後に披露されたのは、’98年のナンバー「東京」だ。一気にバインとの初対バン当時にタイムスリップするその粋な選曲に、場内から大歓声が上がった。
対するGRAPEVINEは1997年の名曲『覚醒』でスタート。その直後に1998年のナンバー『白日』を披露し、「今お送りしたのは「白目」でした。今年僕らは移籍したのでくるりは大パイセン。
さきほど楽屋であいさつしました」と、田中が場内の笑いを誘う。その後はニューシングル『Empty song』から新曲『KOL(キックアウト ラヴァー)』や『Empty song』のほか、『スロウ』『Here』などの名曲を披露。今回、セッションは実現出来なかったが、田中は「その代わり僕らの曲を1曲だけやらせてください」と、最後に『光について』を披露。誰もが1999年に思いを馳せたイベントをセンチメンタルに彩った。
取材・文:早川加奈子
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