演じているのも、ブロードウェイを代表する豪華な出演者たち。シュラー・ヘンズリーが朗々たる歌声で『屋根の上のヴァオリン弾き』を歌えば、『CHICAGO』で来日経験もあるトニー・ヤズベックは迫力のタップダンスで魅せる。ジョシュ・グリセッティは『キャバレー』のMCを飄々と演じる。そして圧巻はやはり、現在『オペラ座の怪人』にクリスティーヌ役で出演中の新星ケイリー・アン・ヴォーヒーズと、伝説のファントム役者ラミン・カリムルーの同作のシーン! 数曲の短いシーンながら、怪しく哀しいパリ・オペラ座の地下湖の世界がふたりから立ち上がる。ほか、ラミンのスーパーマン姿など、ここでしか観られなさそうな意外なシーンもふんだんにあり、笑ったり、うっとりしたり、観る側は嬉しい悲鳴だ。
さらに日本から唯一出演している元宝塚トップスター・柚希礼音も、『くたばれ!ヤンキース』のナンバーなどをコケティッシュに披露。歌もダンスもブロードウェイのトップランナーたちに引けを取らず、日本代表として堂々たるパフォーマンス。もともとダンスの名手として知られるが、彼女のポテンシャルの高さも改めて感じる公演になりそうだ。
途中、あるシーンで舞台袖にあたる部分に目をやると、上述のスターたちがコーラスを担当していた。