大量殺戮で得た勝利の後を描く『Battlefield』開幕
と語る。奇しくも同作の初演の地であるパリでの同時多発テロが起こるなど不安定な世界情勢下にある今。総帥が悔恨、罪悪感にさいなまれる姿からは、これが遥か昔の物語でありながら同時に現代の苛酷な争いを映し出している事に気づかされるはずだ。
舞台装置はほぼ何もなく、舞台上に登場するのもわずか5人。1人は前作『マハーバーラタ』でも音楽を担当した土取利行。前作では30以上もの楽器を使ったが、今回はジャンベ(太鼓)のみを使い、生演奏する。土取のジャンベの音が響く中、4人の俳優たちが色鮮やかなショールを使い分け、さまざまなキャラクターを演じ分けていく。舞台、人、音、台詞、すべてがシンプル。
だからこそ凝縮され、あぶりだされる深い示唆に富んだ世界が、心に深く刻まれるのだろう。
上演時間は70分。台詞は英語だがスクリーンに字幕が出るので、英語がわからなくても安心して観劇できる。
公演は11月29日(日)まで東京・新国立劇場にて。
取材・文:中川實穗
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