本展ではそれをさらに1ミリ以下の精度で再現、“世界の芸術の起源”とも言われるラスコー洞窟の内部を体感できる仕掛けだ。さらにクロマニョン人が残した彫刻や道具など、選りすぐりの実物資料も併せて展示。2万年前の人類の暮らしぶりがひと目でわかる内容となっている。
会見では、同博物館・人類史研究グループ長で本展の監修者でもある海部陽介氏が、「夢に描いていた展覧会」とその内容を表現。フランス国立考古学博物館の全面協力のもと展示される実物資料は、トナカイの角で作られた彫刻「体をなめるバイソン」や、壁画を描く際に使われたとされる「ラスコーのランプ」など、「"国宝級"の品ばかり」(同氏)。「借りられること自体が驚き」と海部氏が言うほどの逸品ぞろいで、その他、"ヴィーナス"と呼ばれる小立像や、ネコ科の動物をモチーフにした投槍器など、どれも日本初公開となる。その後、本展協力者である五十嵐ジャンヌ氏(東京芸術大学講師)や佐野勝宏氏(東京大学総合研究博物館特任助教)、佐藤宏之氏(東京大学教授・日本旧石器学会会長)も登壇。「石器の製作技術の進化を感じ取れるような展示」(佐野氏)、「同時代の日本の旧石器時代も紹介したい」