ポップカルチャーの巨匠・KAWSの大規模展覧会が森アーツで開催
まるでプリントかと見間違うほど、筆の線は一切ないが、ひとつひとつ丁寧に描かれた「絵画」なのである。ビビッドな色を、発色よく再現するために、絵の具は混ぜずに原色のまま使うため、オーダーメードで新しい色の絵の具を発注することもあるのだとか。こうした部分には、彼のアーティストとしての技術力の高さがうかがえる。
音声ガイドは、従来のようにヘッドセット付きの小型機器が配られるのではなく、入口のQRコードにスマートフォンをかざすだけで、自身のスマートフォンから聞くことができる。通常の電話のように音声ガイドを聞くこともできるが、イヤホンを持参するとより便利だろう。
ほかにも、KAWSのスタジオを再現したコーナーや、スマートフォンをかざすことで楽しめる最新のAR作品、さらには展示会場を後にしたところに設置されている、映像による体験コーナーまであり、最後まで私たちを飽きさせない。
展覧会名「KAWS TOKYO FIRST」は、2001年に渋谷パルコで行われた日本初の個展と同タイトルで、原点回帰の意味が込められている。「これぞまさにKAWS」といった作品たちに囲まれ、ファンのみならず、多くの人が高い満足度と高揚感を得られるだろう。