佐々木蔵之介、ニートから玉座に就いた謎の中国皇帝を熱演!
結局厳しくも優しく彼が人を信じて育てたことが、後世にも活かされてくる。暴君にして独裁。でもこれは、ものの見方だと思う」。
7月の東京を皮切りに、仙台、広島と公演を重ね「見応えある言葉のバトルを楽しんでいただけている」と手応えを感じている。同時に「300年前の中国の話が、図らずもいまの話になった」とも。「こういう人がいたらいいなと、彼を通してひとつのリーダー論みたいなものを見れたなと思います。危機に面した雍正帝はこの国の未来をどうするかを考える。そこで『君子に友などいらない。
自分には民と国しかない』と、すべてを断ち切って独裁者となるべく自らを追い込んでいく。彼の覚悟には学ぶべきところがある。今のEUと同じ面積である広大な国をたった一人で治める桁違いの責任感。ひとりの人間でありながらも、自分は天の子だと言い切っている彼のつらさや孤独とか。演じてみないと思いもつかなかったものを経験させていただいています」。なぜ皇帝になれたのか?物語には謎解きの面白さもある。「本来継ぐであろう王子とか、頭のいい人、戦争が得意な人も他にいた。誰も彼が皇帝になるとは思っていなかった。
その謎が解き明かされていく。お客さんも見事にオセロを返してくれた、と思うみたいです」。