森新太郎×吉田羊、全員女性の『ジュリアス・シーザー』で新境地
と期待を寄せる。
男性の登場人物が多い本作を、オールフィメール(全員女性)で届けることの意義を「虚構性を高めた方が、日ごろ我々を取り巻く規範や約束ごとから解放される」とした森。吉田も「男女の役割を固定するようなセリフが森さんによりほぼカットされている」と戯曲を読んだ感想を述べ、「性別という概念がなりを潜めて、対人間同士の会話として響くのではないか」と予想する。
こと衣装に話題がおよぶと、二人は大盛り上がり。森が「当時の男性フォーマルといえば例えば鎧だけれど、シェイクスピア作品では言葉が鎧みたいなもの」「言葉以外の要素はなるべく削ぎ取りたいから抽象的なのがいい」とアイディアを口にすると、吉田も「賛成!中性的な衣装がいいですね」と反応する。そしてブルータスの人物像について「私利私欲のない“ミスター正義感”だけれど、彼本来の魅力は人間的な優しさや弱さ」と語り、「シーザー殺害にいたる感情のアプローチを大切に演じられたら」と述べ、森と吉田の演劇に対する尽きせぬ思いを語り合ったインタビューになった。公演は、10月10日(日)~31日(日)に東京・PARCO劇場にて。その後、11月に大阪・山形・福島・宮城・富山・愛知と巡演する。
東京公演のチケット一般発売は、8月28日(土)10時よりスタート。
取材・文:岡山朋代