西田大輔の脚本・演出ミステリー『RUST RAIN FISH』Team Blackで幕開け
が8人いるなど総じて“手がたい”印象だ。彼らに加えて、今回新たにキャスティングされたメンバーがフレッシュな風を吹き込む。特に凛とした人物像で作品を引き締める能條愛未、徹底したコメディリリーフぶりでシリアスな展開に緩急をもたらした宮下雄也(特に出オチ感満載の衣装と髪型に期待)の功績は大きい。
“オンリーシルバーフィッシュ”が揺れる、大きな水槽の前で絡み合っていくミステリアスな駆け引き。各自が振り返りたい過去は、やがて国家の命運を賭けた大きな“作戦”の記憶へと繋がる。その道筋をキャストとしても支える西田の躍動や、アウトローなたたずまいながら口数の多い谷口賢志、隠しきれない存在感で劇世界を支える堂本翔平、ピュアゆえの不器用さで観客を惹きつける松永有紗、一方で器用に立居振る舞う山口大地にも注目したい。
役者が変われば、作品はまるで変わる──。2014年版キャストが一人もいない「White」にはどんな世界が広がっているのか、もう一度劇場に足を運びたくなる鑑賞体験だった。
上演時間は約170分(休憩含む2幕)。東京公演は10月3日(日)まで。その後、10月15日(金)~17日(日)に大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA TTホールに巡演する。チケット販売中。
取材・文:岡山朋代
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