『泥人魚』開幕、宮沢りえ「言葉を握りしめ突き進んできた」
宮沢は「言葉を握りしめ突き進んできた」と稽古を振り返るように、唐戯曲の最たる特徴といえる詩情豊かなセリフ回しをほとばしるように熱っぽく体現。ピュアな瞳で蛍一に向き合うさまは、ストーリーが大きく動き出すであろう2幕への期待を膨らませる。
対する磯村は“受け”の演技で応戦。プレスコールで披露された以外のシーンに見せ場があるのか、「夢の中のようなファンタジーの世界へと導かれたと思ったら、突然現実を突きつけられる」「唐さんの描く『美しさ』『純粋さ』が波飛沫となってお客様の心に届くのではないか」とコメントした。『下谷万年町物語』『盲導犬』『ビニールの城』に続いて唐作品4本目となる宮沢に刺激をもらいながら、アングラ演劇で存在感を残す姿に期待したい。
ストレートプレイ初挑戦となる愛希は、男装の麗人姿で新境地を見せる。「月の裏側を熟知している」と言ってのけるほど漢気あふれる強烈な小夜子の人物像や作品世界に染まっているさまは、宝塚歌劇月組トップ娘役を務めていた時代や退団後に出演していたミュージカルでの立ち姿と明らかに一線を画していた。上演時間は、約130分(休憩含む2幕)。
公演は12月29日(水)まで、東京・Bunkamura シアターコクーンにて。ぴあでは、座席指定できるチケットを販売中。
取材・文:岡山朋代
「お刺身いけます!」 鯛の1枚に「面構えが違う」「採用決定」