ケラは「半分捏造の評伝劇とは言え、残り半分は実話である」と語っているが、作中に挟み込まれる実際のサイレント・コメディの映像も相まって(この映像がまたすごい)、舞台上で生きる人々にリアリティを感じた。命懸けで「笑い」を生み出そうとした現場には、確かに「笑い」があったが、それ以上に苦悩も闇も狂気もあって。ただ、それらをピュアに、ロマンチックに、そしてナンセンスに仕上げてしまうのは、やはりケラ戯曲の魅力で、三浦の狙いなのかもしれないと思う。
木村は「やっと待ちに待った初日の幕が上がります。楽しみながら千秋楽まで怪我なく無事公演ができるように、最後まで気を緩めずに演じていきたいと思います」とコメント。桜井は「遂に幕が上がるという高揚感で胸がいっぱいです。夢みる人たちが、その夢のため一生懸命生きる姿に奮い立たされる瞬間が沢山詰め込まれています。儚くかけがえのない時間が流れる、素敵な作品に仕上がっています。
劇場でお待ちしております」と語った。
大阪公演は1月8日(土)〜10日(月・祝)、サンケイホールブリーゼ。福岡公演は1月14日(金)〜16日(日)、博多座。愛知公演は1月28日(金)、日本特殊陶業市民会館ビレッジホール。