玉三郎、4年半ぶりに博多座へ。吉右衛門との思い出も語る
で着用していた枯柳に雪持に鷺の意匠の打掛を披露していたが「もう20~30年経っているので、他の舞踊にも使えるようにと思い立って、雪持と柳を細かくして雪を降らせて、流れ水を華やかにしたものを作っている」とのこと。これに加えて、新たな趣向を凝らす予定だ。
『日本振袖始』には、中村芝翫の息子である橋之助、福之助、歌之助の3兄弟も出演。以前から玉三郎は『桜姫東文章』や『川連法眼館の場』(四の切)などの稽古をつけていたという縁もあって、昨年に入ってからの公演で共演してきた。「大変仲が良くて、稽古中にセリフや動きのことをお話して『あとで3人で話し合って復習しなさい』と言ったらちゃんとやっていて。すごく良い関係なので私も楽です」と顔をほころばせていた。
また、先日亡くなった中村吉右衛門さんとの思い出に話が及ぶと「帝劇でお兄さん(当時・六代目市川染五郎、現・松本白鴎)と一緒に『関の扉(積恋雪関扉)』を2~3年続けてやらせてもらったのが思い出としては深いです」と語り「堅実にご自分のおうちのものをやっていらしたことに関して、誠実で尊敬に値する方だったと思います」と故人を偲んだ。改めて2月に公演に向けて「現実に苦しいことはあると思いますが、そういう現実を忘れていただける時間を過ごしていただけるよう最大を尽くしてまいります。