くらし情報『男たちが言葉だけで紡ぐ友情、葛藤、欺瞞「わが友ヒットラー」』

男たちが言葉だけで紡ぐ友情、葛藤、欺瞞「わが友ヒットラー」

守るものがある者同士のすれ違いを届けたいです」と言葉に力を込める。

桧山は第二幕でのレームとの対決を「怒涛の40分」と呼ぶ。「シュトラッサーは頭の回転が速く、言葉も巧みな男ですが、そこが一番難しいところでもある。他人を説得するには必死さだけでもダメだし、上から言えば心が離れていくけど、下手に出過ぎてもうまくいかない。あの手この手でレームの気持ちを惹きつけ続けるのがこんなに難しいのか! と感じながらやっています」と苦笑を浮かべつつ、セッションを楽しみにしている様子。

森田は三島が割腹自殺を遂げた三島事件当時は高校生。「担任が突然『三島が死んだ』と言って授業が中止になったのを覚えています」とふり返る。大学時代にこの戯曲と出会い「クルップを演じたいと思った」と明かす。
「なぜクルップなのか? 当時はクルップがこの3人を動かしている役だと思ったからなんですが、いま稽古をする中で常に新たな発見があって『もしかするとクルップも動かされているんじゃないか?』という思いに行き着いています。日々、全く違うものが見えてきて、まだ先があることにワクワクしています」と笑みを浮かべる。

男たちがただひたすら言葉をぶつけ合う。その極上のやりとりを堪能してほしい。
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