久本雅美&藤原紀香『毒薬と老嬢』開幕に「会話の応酬でクスッと笑って」
と稽古中のエピソードを披露する。藤原は「日ごろ喋っている標準語が出ないようにしないと」と注意するものの、会見中のイントネーションはすっかり関西弁だ。
両者揃って挙げる見どころは、ずばり「会話劇の応酬」に。特に久本は海外の人名が次々と登場することに苦戦した様子を「テディ(渋谷天笑)だのモーティーマー(納谷健 / 劇団Patch)だのジョナサン(室たつき)だの……誰?」と再現して会場を湧かせる。藤原は「セリフにも韻を踏んでいるところがたくさん散りばめられているんですよ。役者の集中力を要する作品ですが、そのぶんお客さんは楽しめるのでは」と笑顔を見せた。
ゲネプロは全編にわたって、アビー&マーサの邸宅を訪れる各キャラクターが老姉妹のマイペースぶりに翻弄される様子をおもしろおかしく描くコメディが展開された。応接間のチェストに死体を隠しても「私たちのお客さま」で押し切るブラックさを、久本と藤原は和やかな笑顔と陽気な関西弁で表現する。
ラストには安楽死や高齢化社会への風刺がにじむものの、どこかほくそ笑んでしまう後味だ。
東京公演は3月20日(水)まで。その後、26日(土)・27日(日)に愛知・御園座、4月2日(土)